ヤマオ リョウ   YAMAO Ryo
  山尾 涼
   所属   広島修道大学  人文学部
   職種   教授
発表年月日 2010/05
発表テーマ フロイトの『ある幻想の未来』について
会議名 ドイツ現代文化研究会
主催者 土屋勝彦
学会区分 国際的な研究会・シンポジウム等
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
開催地名 名古屋市立大学
概要 1927年に発表された『ある幻想の未来』では、その3年後に書かれた論文である『文化への不満』と同じくフロイトの文化的ペシミズムが展開されている。タイトルにある「幻想」という言葉は、ここでは宗教的な感情及び宗教的観念を指す。現在の文化の下す禁令の合理的説明のつかなさは、この文化と宗教との微妙な結び付きが主な原因となっているとフロイトは主張する。人間が宗教を信じる気持ちは、幼児期に「寄る辺のない状態」を感じることによって生まれる不安から発症する、幼児の強迫神経症の症状に類似している。そこからフロイトは、当時の人間がまさに、強迫神経症の段階にあるのだと洞察した。