キムラ ケイコ   KIMURA Keiko
  木村 惠子
   所属   広島修道大学  人文学部
   職種   教授
発表年月日 2016/10
発表テーマ 算数・数学授業の質を捉える理論的視座に関する研究(2)-児童・生徒の物語的思考に焦点を当てて-
会議名 日本数学教育学会第49回秋期研究大会
主催者 日本数学教育学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
開催地名 弘前大学
発表者・共同発表者 渡邊慶子・岡崎正和・木村惠子
概要 本研究は,算数・数学授業の質を捉える理論的視座として「物語(narrative)」を据え,授業の質を分析する理論的枠組みの開発を目指している.本稿では,児童・生徒の認知的な活動の物語的一貫性を捉えることを目的とした.そのために,「思考様式としての物語」(ブルーナー,1998;1999;2004)の吟味を通して,算数・数学学習における児童・生徒の物語的思考様式の特徴[(MT1) 志向的状態を含む行為の理由,(MT2)フォーラムとしての文化,(MT3)数学的意味の交渉,(MT4)価値づけされた出来事の時系列的配列と歴史的拡張,(MT5)物語的思考の契機,(MT6)物語的思考の解釈学的構成,(MT7)「対比」による解釈どうしの比較,(MT8)「対決」によるトラブルの創発,(MT9)「メタ認知」による語り直し]を定めた.さらに,本稿では,ベテラン教師と経験の浅い教師の授業データの比較検討を通して,これらの特徴を具体化した.その結果として,「志向的状態の保存性」,「児童たち自身のアイディアを背景にした数学性の配列」が,児童の認知的活動の物語的一貫性を捉える視点として得られた.