ヤマオ リョウ
YAMAO Ryo 山尾 涼 所属 広島修道大学 人文学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2006/10 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読有り |
標題 | フランツ・カフカの『審判』/『掟の前』―Kと田舎から来た男における罪のアナロギー― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『ドイツ文学研究』(日本独文学会東海支部) |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (38),57-70頁 |
頁数 | 14 |
概要 | デリダは、カフカの短編『掟の前』について、未完の長編小説『審判』の換喩であると指摘した。本論はこの指摘に則り、両作品の構造の類似性と、主人公の犯す“罪”の共通性について分析した。なぜ「掟」が到達不可能なものであるのか、また「掟」とは到達不可能かつ現前しえないものでありながら、なぜ主人公を死へと追いつめるほど作品内で権力的な作用を及ぼすのか、カフカの『父への手紙』を基に考察すると、「掟」の絶対性は、恣意的な審級の内在性に起因していることが明らかになった。審級の内在性、恣意性は、超自我の機能へと帰することが可能であり、その結果、「掟」が超越性を備えたものとなることを論じた。 |