ミサカ ヨシヒロ   MISAKA Yoshihiro
  三阪 佳弘
   所属   広島修道大学  法学部
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2014/09
形態種別 著書
標題 『近代日本の司法省と裁判官――19世紀日仏比較の視点から』
執筆形態 単著
掲載区分国内
出版社・発行元 大阪大学出版会
巻・号・頁 1-316頁
著者・共著者 三阪佳弘
概要 近代日本の司法組織の特徴は、「司法省を基軸とした裁判所・裁判官編成=統轄方式」とそのもとでの司法権独立の脆弱性にあるとされ、そこに日本の特質が読み込まれてきた。本書は、この点について次の2つの点で再検討が必要であると考えた。①1870~80年代西欧大陸諸国では、上記方式に基づく司法組織は標準的であった。②同方式は、司法制度近代化に向けた改革を行うための有力な制度設計のモデルとして、明治前期の立法者により考えられていた。①から明らかとなった19世紀末フランスの司法改革過程における裁判官の身分保障の脆弱性をふまえて、近代日本における②の事態を見ると、それらは必ずしも日本特殊のものではなく、そうした方式によって「近代」的司法を創出した19世紀末フランスにも生じえた共通の事態でもあったのだ。問題の本質は、司法権独立を支える裁判官の歴史的・社会的存在構造の違いに規定された、そうした問題のその後の批判克服のされ方にこそ、両者の間の差異、そして日本の特質を見ていく必要があることを本書は明らかにした。