ニッタ ユミコ
NITTA Yumiko 新田 由美子 所属 広島修道大学 健康科学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/09 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | マンガン(Mn)鉱廃坑が里山哺乳動物へ及ぼす影響を可視化する |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | 健康科学研究 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 広島修道大学 |
巻・号・頁 | 8(1),1-11頁 |
頁数 | 11 |
担当範囲 | 研究の企画、実行、論文執筆 |
著者・共著者 | ◎新田由美子 渡邉雄一 三木由美子 谷浦督規 谷浦直美 原田俊英 石﨑文子 山手丈至 |
概要 | 里山に生息する生物はヒトにより改変された環境の影響を受ける.この影響を可視化することは,里山の環境を共有するヒトへ公衆衛生の情報を提供することに寄与する.廃鉱の影響を,「野生動物体内のマンガン(Mn)濃度は環境濃度の影響を受けず,生理学的濃度の範囲に維持される」との仮説をたて,廃坑に隣接する里山を対象に検証した.真砂土のMn濃度が岩国市の里山で対照より高く,MnとCd濃度が相関した.シダ植物のMn濃度に里山間で差がなかったが,Cd濃度が岩国市の里山検体で対照検体より高い濃度とCF値とを認めた.岩国市の里山で採取したコシアブラから対照検体より高濃度にMnを溶出した.野生動物は腎に生理学的濃度のMnを認めた.野生動物は腎にCdを濃縮し,タヌキでCdのCF値がイノシシより大きかった.生物学的生存時間の推定により,若齢のタヌキでも腎に相当量のCdを蓄積させることがわかった. Mn鉱廃坑に隣接する里山では,Mnの土壌濃度が高いのみならずCdの土壌濃度も高かった.哺乳動物はMnを生理的恒常性維持濃度の範囲に保つ一方,Cdを腎に生涯にわたり蓄積し続けることを,タヌキの捕獲時齢を複数の方法で推計することにより考察できた. |
ISBN | 2433-3271 |