オウ イヒン   O Ihin
  王 偉彬
   所属   広島修道大学  国際コミュニティ学部
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2024/02
形態種別 学術論文
標題 「中華思想」再考
──那波利貞『中華思想』の検討をかねて──
執筆形態 単著
掲載誌名 修道法学
掲載区分国内
巻・号・頁 第46巻(第2号 (通巻第91号)),137(1)-176(40)頁
頁数 40
概要 日本では,中国と周辺諸国との関係や中国の世界観等を論じる際,「中華思想」という言葉を用いて説明する傾向がある。この「中華思想」は現代中国人の思考様式、行動様式にも影響を与えているという。
一方,「中華思想」が20世紀末まで中国ではほとんど認識されず,「中華思想」という言葉さえ存在していなかった。
本稿では「中華思想」の概念,日本で登場する歴史的背景を確認し, 那波利貞『中華思想』による「中華思想」の起源,特質,二面性等を中心に検討した。
「中華思想」の意識が昔中国に存在したが,20世紀以後には存在せず、むしろアヘン戦争以後欧米、日本等国への劣等感から脱出していないこと、日本は昔から「東夷」とされたことから,そのコンプレックスから抜け出していない可能性があること、中国人の自己主張の傾向が文化的なものであり「中華思想」の影響ではないこと等を筆者が指摘した。