スギウラ ヨリコ   SUGIURA Yoriko
  杉浦 順子
   所属   広島修道大学  商学部
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2025/02
形態種別 学術論文
招待 招待あり
標題 セリーヌの「伝説」
執筆形態 単著
掲載誌名 Limitrophe (リミトロフ)特集 ルイ=フェルディナン・セリーヌ
掲載区分国内
出版社・発行元 東京都立大学人文科学研究所西山雄二研究室
巻・号・頁 7,37-54頁
頁数 18
概要 2021年8月にフランスで発見された、L=F・セリーヌ(1894-1961)の大量の草稿群の中から、出版された第三弾の書籍『クロゴルド王の野望/ルネ王伝説』は、作品としてはあまりに未完成なものであるにも関わらず、生前の作家が特異な執着を抱いていた作品だ。そもそも、この中世騎士道風の三人称の物語は、第二作目の『なしくずしの死』で断片的に引用されたことで知られるようになったが、今回、発見された『なしくずしの死』の続編にあたる二つの小説の草稿の中でも、これが引用されていることが明らかになった。なぜ、セリーヌは、この時代錯誤ともいえる物語に、これほどの執着を示し小説作品に引用したのか、なぜその引用だけでは飽き足らず、一つの作品として、「伝説」を描き続けたのか、また新たに見つかった「伝説」では、どのような文体を目指していたのか、本論ではこれらの問いに答えを見出すべく、伝説の源泉にあるもの、特にケルト文化との関わりを確認したあと、「伝説」のテクストがどのように小説の語りに取り込まれていくかを示した。また、「クロゴルド王の野望」で試みられている、実験的な文体の特徴にも触れている。
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