ナカイ ノリオ
NAKAI Norio 中井 教雄 所属 広島修道大学 商学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2020/11 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読有り |
標題 | AEC発足以降におけるASEAN共通通貨の可能性 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 社会科学 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 同志社大学 |
巻・号・頁 | 50(3),1-24頁 |
頁数 | 24 |
概要 | 本稿は,ユーロの成立経緯,利点および問題点を踏まえながら,AEC創設以降におけるASEAN共通通貨の実現可能性に関する検証を試みた。具体的には,ユーロ圏とASEAN域内の経済情勢等を比較検討することにより,ASEAN域内が「最適通貨圏の理論」で示された条件や「安定成長協定」等の条件をどの程度満たしているのかを明らかにし,ASEAN共通通貨の実現可能性を示唆した。本稿の主な結論は以下の3点である。第1に,ASEAN域内全体としては,最適通貨圏の理論が成立し経済収斂条件を満たしていると判断することは困難である。第2に,ASEAN域内において共通通貨を導入する際には,こうした条件を概ね満たしている加盟国のみで通貨同盟を構築し,将来的にASEAN域内全体へ共通通貨の導入を段階的に拡大する方法が現実的であると判断される。最後に,ASEAN域内において共通通貨導入国と未導入国に二分することは,共通通貨導入が多方面においてASEANの連結と亀裂を生じさせる可能性がある。 |