ナカイ ノリオ
NAKAI Norio 中井 教雄 所属 広島修道大学 商学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2021/09 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | 企業価値における法定通貨と非法定通貨の関係性 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 修道商学 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 62(1),63-78頁 |
頁数 | 16 |
概要 | 本稿は、デジタル証券に代表される新しい資金調達手段が企業価値に及ぼす影響について理論分析により検証した。本稿の主な分析結果は、以下の通りである。第1に、デジタル証券による資金調達が負債あるいは自己資本のどちらに計上されるのかにより、企業の最適資本構成比率は当該証券発行以前の最適水準から乖離する。第2に、デジタル証券による資金調達が新規顧客の獲得や既存顧客の需要増大をもたらす場合、当該証券による資金調達は、収益増加の影響だけでなく、最適資本構成への影響も通じて、企業価値の向上にも寄与する。最後に、デジタル証券の発行によるキャッシュフローの増加効果が大きいほど、当該証券の発行による資金調達は企業価値を向上させる。こうした結果を踏まえると、デジタル証券による資金調達は、それ自体が企業の従来の最適資本構成に影響を与えるだけでなく、当該資金調達に伴うキャッシュフロー増加効果あるいは資金調達コスト低減効果を通じて、企業価値を向上させる可能性があるということが結論付けられる。 |