フルカワ ヒロアキ
FURUKAWA Hiroaki 古川 裕朗 所属 広島修道大学 商学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/02 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | カント『判断力批判』におけるGefühlの再検討ーー「感情」を巡る諸問題の解消ーー |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 広島修大論集 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 広島修道大学 |
巻・号・頁 | 64(2),73-87頁 |
頁数 | 15 |
著者・共著者 | 古川裕朗 |
概要 | カントの判断力批判に関する先行研究では、「遊動」や「調和」の感情を「快」の感情と同一視する傾向があった。しかし、その場合、快の感情と対象の判定との先後関係の解釈に矛盾が生じる。そこで本稿では、この矛盾を解消するために「Gefühl(感情)」の概念を再検討する。まず「Gefühl」が「fühlen(感じ)」の機能を持ち、「Empfindung(感覚)」の代替物であり、したがって一種の能力であることを確認する。次に「Gefühl」の一般的な特徴が自己感覚にあることを把握した上で、趣味判断における「Gefühl」特有の自己感覚とは何かを明らかにする。そうすることで、認識能力の関係における主観的統一が趣味判断の基礎であることを確認し、自由な遊動の感情と快の感情とが異なる概念であることを明らかにする。最後に快を他の感情と区別することの根本的な意義は、快を質料的感覚から分離し、形式と結び付ける可能性にあると結論付ける。 |