カワムラ クニオ   KAWAMURA Kunio
  川村 邦男
   所属   広島修道大学  人間環境学部
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2015/02
形態種別 学術論文
標題 文明の生命システム論からみる地球環境保全─エネルギー・資源・情報の流入・流出に関する考察─
執筆形態 単著
掲載誌名 人間環境学研究
掲載区分国内
巻・号・頁 13,53-69頁
頁数 17
概要 環境問題 における環境はヒト社会に対する環境であり,すなわち文明に対する環境である。細胞型生物と文明とを比較すると,細胞型生物および文明は,情報の増幅,機能と情報とを対応づける仕組み,および,新しい機能をシステムに保 存する仕組みを持つ。これらの特徴は,いわば生命システムの情報中枢系であり,細胞型生 物と文明には生命システムとしての相似が認められる。情報中枢系を持つことは,細胞型生 物と文明を,生態系などの他の生命システムや非生命システムから区別する,明確な質的違いである。既 報の研究では主に文明の情報中枢系に焦点をあてたが,文明は生命システムであるからエネルギー・物質が流入・流出する非平衡状態で成立する。 すなわち,環境問題に対する指針を得るためには,文明に対してエネルギー・物質・情報の流入・流出に関する特性を明らかにし,それらを細胞型生物と比較考察することが次の課題と して必要である。 本論では,細胞型生物と文明のエネルギーと物質さらに情報の流入・流出過程を整理し比 較する。さらに,これらのシステムの相似と相異に基づいて,環境問題を考察する。