キムラ ケイコ
KIMURA Keiko 木村 惠子 所属 広島修道大学 人文学部 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2020/09 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | 前期生活算術における授業改善のための副読本開発-藤原安治郎・香取良範による『〈融合主義〉新児童算術 第四学年』に着目して- |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 広島修大論集 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 広島修道大学 |
巻・号・頁 | 61(1),61-78頁 |
頁数 | 18 |
概要 | 昭和10年から用いられた緑表紙教科書は国家カリキュラムに在野の教育実践が影響を与えた稀有な例である。本稿では、後に緑表紙教科書に先行して民間での算術科カリキュラムを完成させた成蹊小学校訓導香取良範が同じ成蹊小学校訓導の藤原安治郎と昭和2年に共著で著した算術科副読本『〈融合主義〉新兒童算術 第四學年』を例に,どのような近代的な算術教育の授業実践への視点をもち,数理を具体化するような授業改善を意図したのかについて検討した。第三期国定教科書改正版と比較検討した結果,明確な特徴が見られた。第一に,本副読本では子どもの生活場面の情景を表す絵よりも算術に関わる図を積極的に用いて,問題の構造をつかませていた。第二は,段階的な思考経路を誘導するように設定していた。第三は,この副読本が第三期国定教科書改正版と共に使うようにつくられたことである。基本的には第三期国定教科書改正版を中心にして副読本を加えることによって,新たな教科書の機能をもたせている。直接的に教科書の改訂をめざすのではなく,現実的な手段としての副読本を用いた授業改善を図っていることが明らかになった。 |