オウ イヒン
O Ihin 王 偉彬 所属 広島修道大学 国際コミュニティ学部 職種 教授 |
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発表年月日 | 2015/10 |
発表テーマ | 尖閣問題における中国の「作為」と「不作為」 |
会議名 | 日本現代中国学会 日本現代中国学会2015年全国大会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
概要 | 尖閣諸島(中国名:釣魚島、以下同じ)問題に対し、中国は、1972年の日中国交正常化の時から、「棚上げ」政策で対処していることがよく知られている。しかし、2010年9月の尖閣漁船衝突事件及び2012年9月日本による尖閣諸島の国有化の後、中国は、日本を強く非難すると同時に、公船による尖閣への巡回常時化、東シナ海における「防空識別圏」の設置等の「強硬」的措置をとるようになった。このような中国の強硬外交姿勢について、中国の「棚上げ」政策の中止や、中国による尖閣諸島の奪取、さらに、いつか沖縄も中国の領土になるだろうといった議論が多く出ている。 「尖閣問題」に関する中国の「棚上げ」政策が変わったか。これは日中両国にのみならず、世界からも注目されている問題である。これまでの尖閣問題に対する中国の「棚上げ」政策を詳しく検討すれば、その政策が旗印として終始掲げているものの、一貫性のあるではない。とはいえ、その政策が変わったりするというより、むしろ国内外の情勢により揺れ動いたりするといった方が適切である。即ち、中国は、時期により、尖閣問題に対し「柔軟」または「強硬」的姿勢をとっているが、それを外交政策の角度から見れば、「積極的」或いは「消極的」といった特性を有するように見える。その「積極的」及び「消極的」の外交は、実際、中国の尖閣問題への、「作為」或いは「不作為」の外交路線に影響されたのではないかと考えられる。本稿では、尖閣問題に関する中国の対策を「作為」及び「不作為」として検討し、中国の尖閣問題に関する基本方針を考えたい。 |