ハセガワ ナオヒロ
HASEGAWA Naohiro 長谷川 尚弘 所属 広島修道大学 人間環境学部 職種 助教 |
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発表年月日 | 2024/06/16 |
発表テーマ | マボヤ目(尾索動物亜門・ホヤ綱)の群体性の進化過程における個虫縮小化の推定 |
会議名 | 日本動物分類学会 |
主催者 | 鳥取県立博物館 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 鳥取県立博物館 |
発表者・共同発表者 | 長谷川尚弘 |
概要 | ホヤ綱マボヤ目を対象にした系統解析と祖先形質復元により、群体性の進化過程において個虫縮小化に方向性があったことを示した。本研究では、日本とイスラエルで採集した17種のホヤ類からRNAを抽出し、トランスクリプトーム配列を決定した。このトランスクリプトーム配列に加えて、マボヤ目シロボヤ類16種のトランスクリプトーム配列をGitHubリポジトリから、またマメボヤ目とマボヤ目のホヤ類9種のプロテオーム配列をホヤ類公共データベースANISEEDから取得した。得られた全42種の配列情報をもとにオーソログの配列についてアラインメント、トリミングおよびコンカテネート処理を経て、1883遺伝子由来の1,039,648アミノ酸からなるデータセット(欠損率0.1%)を作成した。このデータセットに基づいて最尤法とベイズ推定を用いた系統解析を行った。得られた最尤系統樹をもとに、ベイズ推定を用いた祖先形質復元を行った。その結果、群体性の獲得後、個虫が漸次縮小していったという進化的傾向が示された。個虫小型化は群体性動物が付着するための基質上のスペースを巡る競争に対する適応的な反応であると考えられる。これを説明するために、個虫小型化は母個虫が出芽してから娘個虫が出芽し始めるまでの期間を短くし、群体が海中の基質上を拡大する速度を速めることを示唆する数理モデルを構築した。これに加えて、本研究の結果は群体性が褶鰓目の中で3回独立して進化したことを推定した。さらに、群体性に関連する形質が一度獲得されると、それらは一貫して保存されることも示唆した。このことは、群体性ホヤ類にとってこれらの形質が生物学的に重要であることを強調している。 |