ヤマオ リョウ
YAMAO Ryo 山尾 涼 所属 広島修道大学 人文学部 職種 教授 |
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発表年月日 | 2014/09 |
発表テーマ | 〈沈黙〉のうちに〈語ること〉―カフカ『ある犬の探究』 |
会議名 | カフカ研究会 |
学会区分 | 国際的な研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 大分 |
概要 | 西日本のカフカ研究者たちが年に2回、2泊3日で開催しているカフカ研究会に参加して、研究発表を行った。取り上げた作品は、カフカの晩年に執筆された『ある犬の探求』であり、特殊な語りのシステムについて分析を行った。物語は主人公である「犬」の視点から一人称で語られる。しかし、一読すると饒舌に物語を語っているかのように感じられる語り手の語りは、物語内の事実の周縁のみをなぞっているか、もしくは矛盾しあう事柄を繰り返しているに過ぎず、読者は物語内の事実を何ひとつ知ることのできない構造になっている。これは語りながらも「沈黙」しているも同然であり、主人公が語りつつも「語らない」事実が、逆に物語内の真実を浮き彫りにする、という矛盾した物語の構造を論じた。 |