ヤマオ リョウ
YAMAO Ryo 山尾 涼 所属 広島修道大学 人文学部 職種 教授 |
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発表年月日 | 2017/09/29 |
発表テーマ | 文化の病いと〈人間〉獣 ― ニーチェ、フロイト、カフカ |
会議名 | 日本オーストリア文学会 |
主催者 | 日本オーストリア文学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(招待・特別) |
単独共同区分 | 単独 |
招待講演 | 招待講演 |
開催地名 | 広島オフィスセンター |
概要 | 本発表では以下の2点に関して分析を行った。1. ニーチェ、フロイト、カフカは2つの世界大戦およびホロコーストという人類大量殺戮の直前に、暴力性を募らせていく文化と人間像に関して、それぞれが哲学、精神分析、執筆という独自のやり方で洞察を深めていったのではないか。2. それらのディスクールを集め分析することで、三者の洞察した人間像と文化の病理に共通項を見出しうるのではないか。
カフカの執筆を貫く時代への抵抗の精神は、偽善という病いに陥った文化と、人間獣、原始人という表象で人間の獣性を批判したニーチェとフロイトの近代文化・人間批判の系譜へと据えることが可能である。彼ら3人の共通項とは、当時の倫理観、道徳感情、すなわち人類の文化的な精神段階に対する強い疑いと、時代のエゴイズムの醜悪さを徹底的に暴露しようとする意志にある。 |