ニッタ ユミコ
NITTA Yumiko 新田 由美子 所属 広島修道大学 健康科学部 職種 教授 |
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発表年月日 | 2023/08/20 |
発表テーマ | 獣害捕獲されたイノシシ(Sus scrofa)の腎のマンガン(Mn)濃度 |
会議名 | 第63回広島県獣医学術学会 |
主催者 | 公益財団法人広島県獣医師会 |
学会区分 | 地方学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
開催地名 | 広島市 |
発表者・共同発表者 | ◎新田由美子 三木由美子 原田俊英 石﨑文子 |
概要 | 広島広域都市圏のイノシシ(Sus scrofa)は里山を生息圏の一部とすることから,その生活圏をヒト共有している。従って,里山の野生動物の健康状態はヒトの公衆衛生環境の監視・調査へ貴重な情報を提供する。本研究では,害獣捕獲されたイノシシとその生息環境に認められる金属の濃度を測定し,濃縮係数(CF)を指標に用いて評価することを試みた。
材料および方法:① イノシシ生態系の湧水,基盤岩(花崗岩), 真砂土, 圃場土壌, 野生植物および圃場植物を採取し, 含有するカルシウム(Ca),マグネシウム(Mg),Mn, カドミウム(Cd), 亜鉛(Zn)およびMnの濃度を, 熱湯抽出液中濃度として調整し,可視光分光光度法で測定した。② イノシシ13例の腎のCd, ZnおよびMn濃度をICP発光分析法で測定した。③ ①および②の検体を2017〜2022年に収集した。 成績: (1) CaとMgの濃度は,湧水(n=9)で正に相関し(p<0.01), 地域差がなかった。(2) Mn濃度では,Mn鉱跡地から採取した湧水で他地域より高い値を示すものがあった。(3) 腎において,Cd濃度は体重と正に相関(p<0.05)した一方,Zn(21.9±2.2 mg/kg)とMn(1.4±0.2 mg/kg)の含有量は標準偏差値の小さい値を示した。(4) MnのCFを2地域で求めた。A地域では野生植物(n=9)で9.1, 圃場植物(n=12)で452.7となり,B地域では野生植物(n=3)で210.6,圃場植物(n=3)で100.7となった。 |