ニシムラ ヒトシ   NISHIMURA Hitoshi
  西村 仁志
   所属   広島修道大学  人間環境学部
   職種   教授
発表年月日 2025/09/21
発表テーマ 反出生主義とウエルネス —生まれてこなかったほうがよかった、という問いから考える—
会議名 日本ウエルネス学会第22回大会
主催者 日本ウエルネス学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
開催地名 東海大学
発表者・共同発表者 西村仁志
概要 「反出生主義(Antinatalism)」とは、人間が生まれてくること自体を倫理的に望ましくないとする哲学的立場である。この主張は、苦痛や不条理を回避するために新たな生命を創出すべきでないという思考に基づいており、こうした考え方は、現代における環境危機、格差社会、精神的苦悩といった構造的暴力と向き合う中で再注目されている。
 一方で、ウエルネスとは「よりよく生きること」「自己実現を目指す生の充実」として捉えられており、反出生主義とは相反するように見える。しかし本発表では、この二つの視点を対立的に捉えるのではなく、むしろ現代における生の条件を問い直す契機として交差させることを試みる。特に、森岡正博の「生命学」における反出生主義批判と「誕生肯定」の思想を参照しながら、ウエルネスの倫理的・哲学的再定義を提案する。