クロトビ トモカ   KUROTOBI Tomoka
  黒飛 知香
   所属   広島修道大学  健康科学部
   職種   准教授
発表年月日 2025/08/31
発表テーマ 簡便な減塩発酵漬物の作成方法の検討
会議名 日本調理科学会2025年度大会
主催者 日本調理科学会
学会区分 全国学会
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
発表者・共同発表者 ◯黒飛知香、多山賢二
概要 本研究では,廃棄されやすいブロッコリーの茎を有効活用し,比較的減塩で腐敗しにくい乳酸発酵品を簡単かつ短期間で試作できる方法について検討した.下漬けは,2%食塩水に80℃・20分間浸漬させた.本漬け(発酵)は,下漬け後,本漬け液を加えて30℃・3日間(重石なし)静置した.本漬け液は,食塩のほかに乳酸菌の栄養源としてグルコース(少量),さらに酵母エキスもしくはコンソメを,生きた乳酸菌源は乳酸菌飲料(N社,植物性乳酸菌)を添加し調製した.試作漬物については,官能評価,理化学分析,生菌数測定などを行った.酵母エキスとコンソメの比較では,前者がやや強い酸味を呈したが,いずれも漬物として充分喫食可能との評価を得た.ブロッコリーの茎(未洗浄)に付着していた微生物は,加温下漬けにより1 g 当たり106オーダーから未検出(101オーダー未満)まで低下した.さらに,加温によって最大荷重が低下し,食材の軟化が確認された.本漬け液中の乳酸菌数は,本漬け後に108 (CFU/mL)オーダーまで増加し,pH 3.3程度,酸度(乳酸換算)0.7 %前後であり, 充分な微生物耐性を有することが示唆された.試作漬物(固形物)は,食塩換算濃度が約2 %で比較的低塩の漬物に該当した.明度のL*値については,生よりも低値であり,酵母エキス等に由来する着色物質の浸み込みが原因と推察した.以上より,家庭用恒温器と温度計を併用によって3日間で発酵漬物の調製可能な方法を確立することができた.