クロトビ トモカ   KUROTOBI Tomoka
  黒飛 知香
   所属   広島修道大学  健康科学部
   職種   准教授
発表年月日 2026/06/28
発表テーマ 広島菜のLactococcus cremorisによる乳酸発酵漬物の調製
会議名 日本食品保蔵科学会 2026(令和8)年度第75回(和歌山)大会
主催者 日本食品保蔵科学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
開催地名 和歌山信愛大学
発表者・共同発表者 黒飛知香,多山賢二
概要 本研究では,広島菜の長期保管が可能になる乳酸菌発酵漬物の簡便な短期製法について検討した。まず,本漬け液は食塩濃度を軽減し,付着溶液もそのまま喫食できる配合とした。また,本漬け液は廃棄量削減も考慮し,必要最小限(初発の菜重量と同重量の本漬け液を使用)の使用量とした。さらに,機能性を付加するため,免疫活性化多糖を生成するLactococcus cremoris を乳酸菌源として使用し,別の試験区では特産品である広島県産レモンの果皮(外皮)部分を加えた条件についても検討した。これらに加えて,(1)上記の乳酸菌源の特性である粘性の発現を高めるために脱脂粉乳を使用,(2)酢酸菌が共存していた場合の増殖促進を考慮し,酵母エキスとショ糖を少量添加,(3)初発の雑菌汚染レベルを下げるために7% (W/V)食塩水中に浸漬する下漬けを加熱状態(70℃・20分間)にて行った。この加熱処理により,本乳酸菌の増殖に適した中性に近いpH下で本漬けを開始した。
その結果,本漬け液中の乳酸菌数は期待レベルより低かったものの107(CFU/mL)レベルまで増殖し,酸味を呈する広島菜の発酵漬物が開始から3日間で調製可能であることを確認した(液の酸度は乳酸換算で1 %前後)。広島菜に付着していたと思われる一般細菌は,104(CFU/mL)レベルに抑制され,加熱下漬けの効果を示すことができた。試作品の菜中の食塩換算濃度は2.6 %前後であり,比較的低塩の漬物に該当した。本漬け液の粘度は,本乳酸菌で製造された市販発酵乳製品に比べて顕著に低かったが,本漬け液中の多糖類は430 mg/L前後含まれていることが明らかとなった(他の乳酸菌による市販発酵乳製品中に含まれる免疫活性化多糖の約10倍の濃度)。官能評価結果からは,2種の試作品はいずれも漬物として好ましいとの評価を得ることができた。しかし,レモン無添加品がレモン添加品よりも有意に好まれたことから,特産品のレモンを活かす場合には添加量の検討がより一層必要であることが示唆された。