オウ イヒン
O Ihin 王 偉彬 所属 広島修道大学 国際コミュニティ学部 職種 教授 |
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発表年月日 | 2009/11 |
発表テーマ | 中国の改革開放の失策-文明視点の欠如 |
会議名 | 日本比較文明学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
概要 | 中国の改革開放が始まって三〇年が経った。改革開放により多くの多大の成果をおさめているが、多くの陰の問題が顕著にも表れている。なぜか。鄧小平ら中国の指導者は、改革開放により市場経済というメカニズムを導入し、立ち後れた中国経済を立て直し、近代以来懇願した「富国強兵」の目標を実現しようとしたが、社会文明(ここでいう「社会文明」と西洋文明、或いは近代文明とはイコールではない。現代文明の意)のレベルでは中国が特に遅れたという認識はなかった。それにより、二つの認識レベルの問題が存在した。即ち、①資本主義市場経済のメカニズムがあれば、立ち後れた中国は先進諸国に追いつくだろうという資本主義市場経済の機能を過信したこと、②「富国強兵」だけではなく、中国を現代文明社会へと導こうという意識が最初欠如したことである。このような問題意識に基づき、本稿では改革開放路線の設定及び実施における中国指導部の認識構造を解明した。 |