オカニシ マサノリ   OKANISHI Masanori
  岡西 政典
   所属   広島修道大学  人間環境学部
   職種   教授
発表年月日 2025/09
発表テーマ MIG-seq法を用いたクモヒトデ類の分類 学的研究:キヌガサモヅルを中心に
会議名 日本動物学会大会
学会区分 全国学会
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
発表者・共同発表者 岡西政典1,陶山佳久2,石川直子2,藤田敏彦3,野口理基世1,谷弘涼亮太1,藤川遥1,近藤倫生2
概要 クモヒトデ綱(棘皮動物門)は、赤道域から極域、潮間帯から8,000 m超の深海に至るまで、世界中の海洋に広く分布する海産無脊椎動物である。巧みに動かす細長い腕を利用して、転石下、砂中、海藻群落内、他生物の体表上など多様な環境に適応し、種多様性も高く、現在までに世界で約2,100種、日本からは約360種が報告されている。
演者らはこれまで、博物館収蔵標本および新規採集標本を用いて、クモヒトデ綱の系統・分類学的研究を進めてきた。とりわけ形態形質およびミトコンドリアDNAの部分配列に基づく解析により分類を試みてきたが、一部の分類群ではこれらの手法のみでは種境界の判別が困難であった。
本研究では、従来の手法では分類が不明瞭であったAsteronyx loveni(キヌガサモヅル)を対象に、より網羅的なゲノム情報を得るためMIG seq 法を用いて解析を行った。1971年から2011年にかけて、日本太平洋側の水深140~1,640 mより採集された 96個体について一塩基多型(SNP)情報を取得し、その遺伝構造を評価した。その結果、ミトコンドリアDNAの系統解析結果と概ね一致する集団構造が得られた一方で、これまでの手法では認識されなかった系統群も確認され、隠蔽種の存在が示唆された。
また演者らは、笹川平和財団Ocean Shotプロジェクトの一環として、約500個体の他種のクモヒトデ類について同様のMIG seq解析を実施しており、本発表ではその成果の概要もあわせて紹介する。