ミヤワキ シンイチ   MIYAWAKI Shinichi
  宮脇 真一
   所属   広島修道大学  人文学部
   職種   助教
発表年月日 2026/06/27
発表テーマ シンガポールにおける初等数学の教科書に関する基礎的研究:立体に焦点を当てて
会議名 全国数学教育学会 第64回研究発表会
主催者 全国数学教育学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
開催地名 北海道教育大学札幌校
発表者・共同発表者 赤井秀行(九州ルーテル学院大学)
概要 『MATHEMATICS SYLLABUS Primary One to Six』(以下:『MATHEMATICS SYLLABUS』)は,シンガポール
教育省が公表する算数・数学教育の公式カリキュラム文書であり,日本の学習指導要領に相当するものである.2021年に改訂された『MATHEMATICS SYLLABUS』では,冒頭で数学を学ぶことの重要性が示されるとともに,算数科の学習において,児童が基礎的な数理能力を身につけるだけでなく,論理的思考力や日常場面での活用まで視野に入れた問題解決能力の育成を体系的に目指していくことが述べられている.
そこで本研究では,2021年に改訂された『MATHEMATICS SYLLABUS』および初等数学の教科書『Primary Mathematics』の分析を通して,今後の研究への示唆を得ることを目的とする.
シラバスから読み取れるシンガポールにおける算数教育の特徴として,数学に対する理解を教育の根底に据えていることが挙げられる.その上で,数学に関する知識や技能を個別に捉えるのではなく,それぞれの要素や概念の相互の関連を重視しながら学習を進めることで,数学を題材として思考力や問題解決能力の育成を目指している点も特徴的である.また,単に知識や技能を活用するだけでなく,自らの考え方や学びの道筋を振り返り,よりよく改善していこうとするメタ認知の育成が重視されていることも窺われる.
また,教科書においては,シンガポールの教科書における立体学習は,シラバスに示された方向性と同様,立体の名称や性質を個別に習得させることを目的とするのではなく,図形相互の関係や分類,既習
内容との関連を重視しながら概念理解の深化を図ろうとしていることが窺われる.これは,シラバスで重視されている概念間の関連付けを教科書レベルで具現化したものと捉えることができる.特に,包摂関係への着目や学年間をつなぐRecallの設定は,シラバスで示されたビッグアイディアに基づく学習内容の関連付けや,学習を振り返ることによるメタ認知を促す構成であることがわかった..