キムラ ヤスミ   KIMURA Yasumi
  木村 安美
   所属   広島修道大学  健康科学部
   職種   教授
発表年月日 2025/05
発表テーマ 20歳時からの体重増加と生活習慣病、医療費との関連:福岡市地域包括ケア情報プラットフォームからの報告
会議名 第61回日本循環器病予防学会
主催者 野出孝一(佐賀大学医学部長)
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
開催地名 佐賀県佐賀市
発表者・共同発表者 木村安美, 大石絵美,古橋寛子,古田芳彦,本田貴紀, 二宮利治
概要 【目的】特定健診およびレセプトデータを用い、成人期の体重増加が生活習慣病、医療費に及ぼす影響を明らかにする。
【方法】福岡県福岡市民の医療・健診情報を集約する「地域包括ケア情報プラットフォーム」データを用いて、2012年度に特定健診を受診した40-74歳の市民で、2013~2021年度における生存状況と医療費の情報が得られた者のうち、BMI<18.5 kg/m2の者を除く43,710名を解析対象とした。「20歳の時の体重から10kg以上増加している」の質問項目に対し「はい」と回答した者を体重増加(+)、「いいえ」を体重増加(-)とした。まず、2012年の特定健診のデータを用いて、体重増加の有無別に生活習慣病(高血圧、脂質代謝異常、糖尿病、慢性腎臓病、メタボリックシンドローム [MetS])を有するオッズ比をロジスティック回帰分析を用いて算出した。続いて、2013〜2021年度の年齢別の医療費のデータを用いて体重増加の有無別にみた年齢階級別の平均年間総医療費を算出し、体重増加の有無別の年齢階級別の生存者数と平均年間医療費の積和により各群の生涯医療費を算出した。
【結果】体重増加者の割合は、35.2%であった。体重増加(+)では、体重増加(-)に比べ、各生活習慣病の有病率がいずれも有意に高かった。また、年間総医療費は、すべての年齢階級で体重増加(+)の方が高額であった。生涯医療費については、体重増加(-)が498万円、体重増加(+)が602万円であり、体重増加者の方が1.2倍高額であった。
【考察】20歳時からの体重増加者では、生活習慣病を有するリスクおよび医療費の上昇がみられた。これは、体重増加に伴い、生活習慣病による医療受診および治療費が増加するためと考えられる。