ヨコタ クニヒロ
YOKOTA Kunihiro 横田 晋大 所属 広島修道大学 健康科学部 職種 教授 |
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発表年月日 | 2021/08/26 |
発表テーマ | 外集団脅威への適応と互恵関係の維持のどちらが重要か?集団目的に依存する内集団ひいきの心理メカニズム |
会議名 | 日本社会心理学会第62回大会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
開催地名 | オンライン学会 |
発表者・共同発表者 | 中川裕美・中西大輔 |
概要 | 本研究の目的は,現実に実在する集団の属性で状況要因を操作し,内集団ひいきの心理メカニズムの働きが切り替わるか否かを検討することである。野球チームのファンを対象とした中川・横田・中西 (2015, 2018, 2019) の研究から,協力にコストがかかる状況では集団内の互恵関係 (Yamagishi & Kiyonari, 2000) を維持する内集団協力が生じ,同時に競争的な外集団の存在から集団同一視 (Tajfel & Turner, 1979) に基づく見返りを期待しない協力も生じることが明らかとなった。しかし,中川他は1) 野球ファンのみが対象で結果の外的妥当性が保証されていない,2) 外集団の有無だけでは集団同一視の働きに影響はなく,状況要因が特定されていないという2つの限界点があった。横田・結城 (2009) によると,内集団の存在を脅かす外集団脅威が知覚されると集団間の差を拡大する動機から内集団ひいき生じるという。また,外集団脅威の知覚と集団同一視の強さは連動しているとの主張もある (Stephan et al., 2009)。したがって,外集団脅威の強さが異なる集団を対象とした比較を通じて,外集団脅威が集団同一視の働きに影響する状況要因になり得るか否かを検討する必要がある。まずは,予備調査として外集団脅威の知覚を測定するための尺度を作成し (Rabbie, 1982; Stephan et al., 2009),外集団脅威の強さで集団を分類することを試みた。今後の研究では,実在集団の内集団ひいきの説明を体系化させるため,外集団脅威の強い集団では集団同一視,弱い集団ではコストの影響から互恵関係を維持する内集団ひいきが生じるか否かを検討する。 |