オカニシ マサノリ   OKANISHI Masanori
  岡西 政典
   所属   広島修道大学  人間環境学部
   職種   助教
発表年月日 2022/11/19
発表テーマ クモヒトデ綱の環境DNAメタバーコーディングプライマーの開発
会議名 環境DNA学会
学会区分 全国学会
発表形式 ポスター
単独共同区分 共同
開催地名 オンライン
発表者・共同発表者 岡西政典(広島修道大学)・幸塚久典(東京大学)
鄔倩倩(神戸大学)・進士淳平(リージョナルフィッシュ)
芝田直樹(環境総合リサーチ)・玉田貴(環境総合リサーチ)
中野智之(京都大学)・源利文(神戸大学)
概要 本研究では、非破壊的生物多様性モニタリング法として、クモヒトデ綱の環境DNAメタバーコーディングの2セットのPCRプライマーを開発した。このプライマーは、ミトコンドリア16S rRNA遺伝子の保存領域(16SOph1: 111-115bp、平均112bp)と種間変異を示す超可変領域(16SOph2: 180-195bp、平均185bp)を増幅するよう設計した。プライマーの性能は、12種のクモヒトデを飼育している水槽(2.5Lまたは170L)の飼育水と、神奈川県三浦市三崎周辺の浅海(2 m)から深海(270 m)までの自然海水から採取した環境DNAを用いて検証した。リファレンスライブラリ構築のため、三崎周辺および国内の同程度の水深で採取した標本と、国際塩基配列データベース(INSD)のクモヒトデの16S rRNAの登録配列を入手した。得られた環境DNA配列をリファレンスライブラリと比較した結果、16SOph1および16SOph2の解析において、それぞれ37種(隠蔽種を含む)と26種のクモヒトデ綱が高い一致度で検出された。
浅海域では、16SOph1で検出されたクモヒトデ綱の種数とリード数は全生物の90%以上であった。一方、16SOph2で検出されたクモヒトデ綱の種数とリード数は全体の半分以下であり、クモヒトデ綱以外の後生動物は6〜8門から20〜46種が検出された。また、水深80 mのクモヒトデ綱の種数およびリード数は、いずれのプライマーでも10%未満であった。
これらの結果から、16SOph1はクモヒトデ綱に特異的であり、16SOph2は様々な海産動物の検出に適していることが示唆された。このことから、今後の海洋環境水からのDNAメタバーコーディングを行う上では、プライマー配列のさらなる最適化、調査地域のクモヒトデ(並びに他の生物)相の詳細な解明、現在の国際塩基配列データベースにおける生物の正確な同定が必要であることが示された。