スギウラ ヨリコ
SUGIURA Yoriko 杉浦 順子 所属 広島修道大学 商学部 職種 教授 |
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発表年月日 | 2019/12/08 |
発表テーマ | 1930年代のマルローとセリーヌ — 文学と政治の間で |
会議名 | アンドレ・マルロー再考 ‒ その領域横断的思考の今日的意義 |
主催者 | 上智大学ヨーロッパ研究所 / アンドレ・マルロー国際シンポジウム実行委員会 |
学会区分 | 国際学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 日仏会館ホール |
発表者・共同発表者 | 杉浦順子 |
概要 | 1932年にゴンクール賞を逃したセリーヌと、翌1933年に『人間の条件』で受賞したマルローとでは、この結果が象徴しているように、作風において、政治傾向において、極めて対照的に見える。
しかし、1920年代後半から30年代初頭の「小説の危機」の時代 — それは文壇が極めて政治化した時代でもあるが — 、小説家として歩みはじめた二人が、ともに「生きた」言語を追求していた点は注目に値する。小説の言葉に生きた言葉としての「正統性」を与えるために、マルローは「行動する知識人」、セリーヌは「民衆出の医者」と、それぞれ作家としての自己表象を創り出し、それを小説の登場人物と重ねていった点でも共通している。 ここでは30年代に絞り、多分に政治的な含みを持った二人の自己表象のあり方と創作との関係を検証し、文学が最も政治化した時代に、二人の作家が文学の象徴的権力に賭けたものを比較していく。 |