タケイ ミツコ
TAKEI Mitsuko 竹井 光子 所属 広島修道大学 国際コミュニティ学部 職種 教授 |
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発表年月日 | 2021/11/27 |
発表テーマ | FREPA/CARAPを援用した自己評価調査からみえてくるもの-教育的示唆と実践- |
会議名 | 異文化コミュニケーション学会 第36回年次大会 |
主催者 | 異文化コミュニケーション学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 共同 |
開催地名 | Online |
発表者・共同発表者 | 竹井光子・横田和子 |
概要 | 国や地域という境界を越えて世界的に物資、資本、人材、情報が行き来する「グローバル社会」、異なる国籍や民族の人々が互いの違いを認め合い、対等な関係を築きながら共に暮らす「多文化共生社会」が現代社会のキーワードとなって久しい。グローバル化が進展し異文化接触の機会が増大する中、言語能力に加え、文化的な能力が重視されている。この能力は、Byram (1997)やDeardorff (2006)のモデルをはじめとして、多様な用語、定義、概念を用いて論じられてきた。複言語・複文化主義を理念とする「欧州言語共通参照枠」の増補版(CEFR 2020)では、複文化レパートリー(pluricultural repertoire)の尺度が新設され、能力記述子23項目が追補された。その詳細な分類や記述については、CEFRを補完するものとして「言語と文化の多元的アプローチのための参照枠(FREPA/CARAP)」を参照するようにとの指示がある(CEFR 2020, p. 31, p. 124)。さらに、総項目数が数百にものぼるFREPA/CARAPから、日本の状況に合わせた異文化間能力指標として29項目からなる能力記述文を提示した松本(2012, 2013)の試みは、日本の教育現場における利活用の点から注目に値するものである。本発表では、松本(2012,2013)の知識、態度、思考スキルの3つのカテゴリーからなる29項目のリストを援用したアンケート調査の分析結果を報告する。調査対象は、「豊富な異文化体験や学びを通じ、国際感覚を養う」ことを目標とする学科の入学生(3年度分193名)である。7件法による自己評価の得点平均が低かった項目から得られる示唆を、同学科のカリキュラムや授業内容の見直しに活用することをねらいとする。とくに、29項目中26位の「下位文化の存在と複数の下位文化への所属(知識)」と27位の「自言語・自文化の客観的説明、異文化に対する客観的な意見の表明(スキル)」の2項目に着目し、それらの要素を授業に組み込むための実践例や案を提示するとともに、調査結果から得られる示唆について論じた。 |